本研究者らは、ハワイ大学医学部公衆衛生科学研究科博士課程主任教授キャサリン・L・ブラウンらが作成した5冊のブックレットから成るTHE COMPLETE LIFE SERIES(「アドバンス・ケア・プランニング:選択肢を知らせる」「前もって計画を立てる:告別式と追悼式」「お別れを言う準備:死に逝く人のケア」「亡くなったとき:愛する人が亡くなった時にすること」「遺された人への援助:癒しの旅路」)を翻訳した。本研究の目的は、この5冊のブックレットの有効性を明らかにすると共に、日本社会に適合的なブックレット開発の基礎的資料を得ることである。そのために調査を実施し、次の結果が得られた。この5冊のブックレットは、死の準備教育に有効である。アドバンス・ケア・プランニングについては、医療従事者だけでなく広く一般人への普及・啓発活動が必要である。また、認知症などにより意思決定をすることができないときも視野に入れた内容が求められていた。