本論は、子ども会育成会を構成する基礎単位である「単位子ども会育成会」の会長に初めて就任した母親たちが、地域の子ども会活動についてどのような意識をもっているかについて調査し、地域における子育て活動の推進に向けてのエンパワメント・ニーズの把握を試みたものである。調査・分析方法は、フォーカス・グループ・インタュー法によりICレコーダーに各人の発言を記録し、観察データを加味しつつ、個人、相互、地域関係の3つの視点から発言のシステム構造分析を行った。結果としては、育成者自身の地域子ども会活動の経験についての評価は比較的ポジティブであるにも関わらず、主として現在の役員の負担感を理由に、現在の子ども会活動についてはかなり否定的な評価をしていることがわかった。しかし一方で、活動支援のためのサポーターや関係団体との連携、さらに育成者による協議や話し合いを充実させることが、今後の活動の充実への糸口となる可能性があることが示唆された。