本論は服飾デザインの領域から地域創生に挑戦する活動に焦点を当てたものである。2013年から本年までの3年間、長門市油谷をフィールドとし、棚田百選に選ばれた東後畑の棚田のブランディングに関わってきた。同時に、安倍昭恵内閣総理大臣安倍晋三夫人と山口県立大学企画デザイン研究室との共同研究により、農ガールコレクションとしてmompekkoレーベルを立ち上げ、モンペッコ・サロペッコ2015を「アグリアート・フェスティバル2015」において発表した。地域資源である柳井縞や玖珂縮の縞の伝統を参考に、やまぐち縞takijima 2015を素材として開発した。デザインはモンペッコ・サロペッコ2014のパターンに改良を加えた。山口県内各地やインターネットで実験的に販売も行った。棚田の現状調査や課題を明らかにするための方法として、「日本一美しい油谷の棚田創生と若者による農業の未来」をテーマにしたシンポジウムを開催した。そこで自然栽培米を中心とする農業の個性化が行われていることや、若者が自然栽培農業に魅了されて向津具半島へ移住してきている現状が明らかとなった。持続可能な社会の実現を目指す、新しい価値を求めている若い農業者の創造的なエネルギーや、体験価値が高められるような服飾デザインをすることが今後の課題となった。そのために今後は‘Zero Waste’の考え方に基づく、メッセージを表現するような服飾デザインを追求していきたいと考える。
This paper focuses on activities to promote Regional Creation from the field of fashion design. For three years from 2013 to this year, the team of Laboratory of Fashion Design and Planning at Yamaguchi Prefectural University has done fieldwork in Yuya, Nagato City, working on the branding of the rice terraces of Higashi-Ushirobatake, which was selected as one of the Top 100 Terraced Paddy Fields in Japan. At the same time, through joint research with Akie Abe(wife of Prime Minister Shinzo Abe) to create the mompekko (Japanese cotton working pants for women) label “Nou-Girl” (Agriculture Girls) Collection, we announced the products Mompekko and Salopekko 2015 at the Agri-Art Festival 2015. ...