本研究は、大学での教職論の授業と並行して学校体験活動を履修した学生の振り返りアンケートを質的に分析し、理論と実践の往還が学修に与える影響を明らかにしたものである。KJ 法による分析の結果、学生の学びは「理論の具体化」「実践の意味付け」「教師像の形成」「教育観の変容」「理論と実践の補完性」の五つに整理された。授業で得た理論的知識は現場で具体化され、体験は理論的枠組みによって再解釈されることで教育的意義を獲得した。さらに、学生は教師像を「知識伝達者」から「子どもの成長を支える専門職」へと拡張し、教育観も地域社会との連携を踏まえた視点へと拡張した。さらに理論と実践の相互補完性を自覚することで、教職課程の学びは、知識の習得にとどまらず、学校現場で使える実践的指導力へと発展する契機となった。以上、理論と実践の往還は、学びの深化として位置づけられ、教員養成課程における教師としての省察と専門的力量形成を促すものであることが明らかになった。