本研究の目的は、自閉症のきょうだいの実情を一つの事例を通して明らかにすることである。過去の文献のなかでは、自閉症のきょうだいは、他の知的障害者よりも自傷行動などの問題行動に悩み、精神的負担が大きいと報告されている。したがって、ここでは、自閉症の問題行動によって、きょうだいがどのような実情にあるのかを調べるために、きょうだい三人のなかで、二人の自閉症の兄達を持つ女性に対して面接を実施した。その結果、自閉症の兄達は物事に固執する行動を示したが、彼女は特に大きな精神的負担を抱えていなかった。しかし、彼女は