子ども未来学研究

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子ども未来学研究 Volume 6
published_at 2011-12-20

森の大学の試みと可能性 : 梅光学院大学梅ヶ峠の森におけるフィールド教育

森の大学の試みと可能性 : 梅光学院大学梅ヶ峠の森におけるフィールド教育
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Descriptions
 本研究では、梅光学院大学梅ヶ峠の森(仮称)におけるフィールド教育の実践事例を紹介しながら、森の大学の可能性について考察した。梅光学院大学は、旧梅ヶ峠キャンパス(山口県下関市吉見妙寺町365)周辺に、53899㎡ほどの広さの森を所有している。2010年4月より現在までの約2年弱の間、子ども学部(田中俊明教授)の学生を対象とし、毎週2時間程度、梅ヶ峠の森の中でゼミの授業をするという、森の大学とでもいうべき試みを行ってきた。梅ヶ峠の森での授業は、現実の環境と向き合うこと、学生間・学生-教員間のコミュニケーション、過去の経験の蓄積に基づく思考が必要とされる行動がうまくできないなど、現実の環境(森,他者)⇔身体との間の適応的な相互作用の経験の不足にかかわる学生の課題を浮き彫りにするものとなった。その一方で、雨の日も風の日も森という思い通りにならない自然の場所での活動を繰り返すうちに、現実の環境(森、他者)⇔身体との間の適応的な相互作用のループが少しずつくるくると回り出し、他者を含む現実の環境に対する自発的な身体を基軸とした学びや気づきが可能となり、上記の課題が改善されてゆく方向に向かうことが示された。
Creator Keywords
自然
大学教育
フィールド教育
里山