本研究の目的は、親子のストレス場面での子どもの原因帰属、対処行動、対処行動によるその後の変化について、親への愛着によってどのように異なるかを、心理的負荷の異なるストレス場面で比較することであった。その結果、脅威高場面において愛着回避の効果がみられた。愛着回避高群は愛着回避低群よりも、ストレス場面は親のせいで起こったと原因帰属し、それに対して攻撃性の高い行動をとる人が多かった。愛着回避の高い人は心理的負荷の高い場面において愛着システムが活性化するため、脅威高場面でその特徴が明確に出たと考えられた。愛着不安は脅威低場面の対処行動後の変化に対してのみ効果がみられた。愛着不安の高い人はストレス場面が改善されると予測できないことに対して、自分に対する自身の低さがそこに示されたと考えられた。以上より、愛着回避は他者に対する評価の低さへ、愛着不安は自分に対する評価の低さへの影響が示された。