本研究では,小学校初任者教員にPAC分析を行い,初任者教員の協同学習認識について検討した。その結果,初任者教員であっても半年間の実践経験から,協同学習を実践する際に必要なことがらや課題を認識することが示された。一方,それらの課題をどのように達成するのかに関する認識は認められなかった。以上のことから,実現が難しいとされる協同学習実践に必要なことがらの習得に対するレディネスは,半年間の教職経験であっても整う可能性が示唆された。また,調査協力者の相違点から,それぞれが担任する学級や学校の状態,同僚の教員や学校文化によって,協同学習への認識が変容する可能性が示された。