本研究では,子ども未来学入門Ⅲ•Ⅳ(2022)担当教員に PAC 分析を行い,フィールド
ワークと振り返りが教職を志望する受講学生に及ぼす効果について検討した。その結果,
学校現場を体験するフィールドワークと振り返りが子どもを内面的に理解すること,学生
の学校や教員イメージ,授業イメージが更新されること,そして教職への意欲が向上し,
主体的なキャリア形成につながることが示された。
一方,課題として,対話を通した振り返りには高い授業スキルが求められるため,深い
学びをうむ振り返りをどのように進めていくのかを担当教員同士で必要に応じて共有して
いく必要があること,学びとその効果に学生差と学校差があるため,学生による自己アセ
スメントの導入や学校に対する事前説明の改善等,学びの仕組みに検討の必要があること,
また,次の学内の学び,そして教育実習への接続についてさらに検討する必要があること
が示された。