過去と未来を繋ぐ現在の教育を考えるには、過去から現在に至るまでの文化遺産を学びつつ、学び方に関しては自己を対峙させ、問題解決的に学ぶことが求められる。しかし、前者と後者の二者択一的の捉えられることが多い。この問題に、クラフキーは、実質陶治と形式陶治を統一することや、精神科学的教育学と批判的教育学を統一し批判的・構成的教育学(教授学)を確立することで、この問題に答えた。さらに、この立場で、現在に関係し未来に関係する一般陶治と鍵的問題と人間的な興味・能力を多面的に陶治するという三つの観点から学校教育をとらえ、それらの相互作用により、構えや能力が個人のなかに組み込まれ高度な能力が獲得されていくと考えた。彼の諸論は、未来に向けての学校教育の構造や教育課程をとらえるうえで、大きな示唆を与えるものである。