本研究では、まず、戦後の教員政策の流れの中に教員育成指標の策定を位置づけ検討した。その後、省察的実践という観点から策定されている教員育成指標とは別の可能性を検討した。その結果、以下の 4 点が明らかになった。
・教員育成指標が、戦後の教員統制を目的とした教員政策の延長に制度化されていること
・教員育成指標が教員統制として機能するのであれば、それは指標が十分な標準化を示せていないがゆえであること
・省察的実践を中心に置いた教員育成指標が可能であること
・不確実性を本質とする教育という仕事を指標化するためには省察的実践モデルの方が優位であること
教員育成指標の「学習指導」を中心に教員育成指標の別の可能性を提示したが、今後、他の項目についても省察的実践という観点から指標化していく必要がある。