本論文では、子どもの心の安らぎや喜びという視点から野外の自然に触れること、及び、野外に出かけて自然の世界を美しく楽しいものとして感じる心を幼児期から育み強めていくことについて進化心理学的に考察した。子どもたちが野外の自然に触れて、自然の世界を美しく楽しいものとして感じることは、不安やストレスから解放されて、心の底から安らぎと喜びを感じて生きることに直結すること。それが進化的過去に形成された人間の本性にマッチした、子どもが人間らしく成長していくために適した生き方なのだという視点を、今後の保育や教育の中に取り入れることの必要性について論述した。