本論は、救急看護におけるフィンクの危機モデルの活用実態を分析することで、その特徴から臨床応用への留意点を導き出し、危機的な状況にある対象への個別的な看護ケアの在りかたの手がかりを得ることを目的とした。フィンクの危機モデルは、中途障害者の危機への対応の過程をモデル化し、治療的介入とマズローの動機づけ理論との関係性を示したものである。このモデルの活用における特徴を明らかにするため、モデルの概要を踏まえ、1994年以降の医学中央雑誌Webのデータベースから抽出した先行研究10件のレビュー分析を行い、検討した。