本研究は、外国人散在地域である佐賀県を対象とし、同県で行われている多文化共生の防災まちづくりに向けての平常時防災支援に関する取り組みに着目した。佐賀県で行われている取り組みの多くが佐賀県国際交流協会開催のものが多く、同協会が中心的な役割を果たしていると言える。具体的な取り組みとして、HPとSNSでの多言語によるプッシュ型の情報発信や、体験型の防災セミナーの開催などが挙げられる。また、外国人側ではなく日本人側(マジョリティ側)の視点に立つ災害対応ガイドブックの制作とその啓蒙活動、社会福祉協議会や災害関連プラットフォームへの加入など、防災・災害関連団団体との連携を意識している点も特徴である。