我が国における近現代の教育の淵源は、近代明治時代に遡ることが重要である。それは、取りも直さず、我が国の国体すなわち国の有り様、国の形を大きく転換したからに他ならない。そのシステムの変更の一つの柱が藩校・寺子屋から国民皆教育への移行であった。そこに、時代が要請している時代性、我が国固有の歴史性、システムを上手に受容しようとした地域性をみることができると考える。このように考えてくると、社会背景としての時代性を念頭に置きつつ、我が国固有の歴史性の分析や地域性の分析・検討の必要性が自ずと生じてくるのである。現代に生きる私たち自身の生きる課題として、数多く教育課題や心が痛む重たい現実に直面しているが、今一度我が国の国体・教育の形に向き合うことが、真摯に求められていると言える。