Bulletin and Annual report,Ube Frontier University

EISSN : 2759-1697

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本研究の目的は、インターンシップ受入担当者の、インターンシップに関する考え方や関わり方、現場や学生との関係性等について、その意識や負担の内容を明らかにすることである。6企業・施設の受入担当者を対象に、半構造化面接調査を実施した。インタビューの逐語録をカード化しKJ法により分類、質的分析を行った結果として、次の3点が示された。①インターンシップには、成熟の段階がある。②受入担当者と現場や学生の関係性が、「一方向型」「移行型」「双方向型」の3つの型で表すことができる。③受入担当者の負担は、「明確に意識され表出される負担」「意識されていない負担」「消化されなければ、負担につながる可能性がある課題」に分類出来る。インターンシップの成熟の段階が図解で表すことが出来、個々の段階に属する企業・施設の支援の可能性が示唆された。
PP. 23 - 30
本研究では、栄養士養成施設における専門科目である栄養指導実習Ⅰで行うプレゼンテーションにおいて学生相互評価の導入を試みた。実習内のプレゼンテーションに対して、相互評価のルーブリックを作成し、教員と学生が評価することとし学生同士で評価するにあたっては、学生同士で誰が誰を評価するのか明らかにした記名式学生相互評価と誰が誰を評価したのかが分からない無記名式学生相互評価を実施し、ルーブリック作成及び記名が評価に与える影響を調査した。
 調査の結果、3 つの視点ともに「良い(3 点)」を中心に評価が分布していたことから、ルーブリックが学生の評価行動の標準化に効果があったと考えられた。記名の有無では、記名式学生評価で教員評価と比較し有意に高いという結果が得られた。そのため、評価行動の標準化にはルーブリックが重要であること、教員の評価に近づけるためには無記名式学生相互評価が有用であることが示唆された。
PP. 31 - 34
近年の人口動態の変化や事業環境の激変により「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、『社会人基礎力』が求められるようになってきた。
 本研究では、看護学部での教育による学生の社会人基礎力の獲得状況とその課題および卒業時の到達目標ディプロマポリシー)の到達度を明らかにし、今後の看護教育に役立てることを目的として、令和5年度に入学した看護学部学生に対して社会人基礎力に関する調査をおこなった。
 調査の結果、社会人基礎力の中でもチームワークに関する「傾聴力」「状況把握力」「規律性」が高い傾向にあった。また、職業人意識の「責任感」が高い傾向にあった。反面、アクションの「実行力」、シンキングの「創造性」、チームワーク力の「ストレスコントロール力」が課題であることがわかった。
PP. 11 - 22
保育士及び幼稚園教諭養成課程で開設されている科目では、具体的な指導場面を想定した活動の立案とその指導案に基づいた模擬保育演習が実施されている。しかしながら、実際の保育現場での経験が少ない学生にとって「具体的な指導場面」を想定することは大変困難であるのに加えて、立案する指導案の書式は養成校、園ごとに異なることもある。そのため、経験の浅い学生たちは「具体的な指導場面の想定」と「異なる指導案書式」それぞれへの対応に翻弄されている現状がある。
 本研究では、保育施設への質問紙調査及びフォローアップインタビューを実施し、保育学生が具体的な指導場面を構想し、指導案を立案するための手がかりを明らかにした。手がかりは、①主な活動を実施する時間帯、②主な活動の種類、③活動時の配慮や援助、④支援が必要な子どもへの対応、⑤教材の入手方法の5つに整理することができた。
PP. 1 - 10