戦国時代といえば、よく思い出させるのは、「政略結婚」という言葉であろう。この時代に生まれた多数の女性は政略結婚の道具になってしまう運命を与えられたと言われている。中国では、政略結婚のことを「政治聯姻」あるいわ「和親」と言っているが、儒教道徳を掲げた前漢という時代、美人として知られた王昭君は最も典型的な「和親」人物の一人である。中央集権統一国家で儒教理念を尊ぶ中国と、戦乱の時代に家臣団を中心とした社会の仕組みになっている日本において、政略結婚のために犠牲にされたたくさんの女性が歴史の舞台を飾った(以下、略)