本研究では,導入当初から継続的に梅光型PBLを担当している教員にPAC分析を行い,梅光型PBLが受講学生に及ぼす効果について検討を行った。その結果,梅光型PBLでは地域企業と連携し,大人数のゼミ形式による課題解決が行われるなかで,協働的課題解決能力,コミュニケーション能力やプレゼンテーション能力等の伝える力が向上する可能性が示された。また,PBLのなかで社会や企業,地域や大人と出会い,そして社会そのものを体験的に学ぶということ自体が学習の成果であるとともに,先述した力の要因となっている可能性が示された。さらに,学生の主体的なキャリア形成に寄与している可能性が示唆された。一方,それらの成果を継続したり,全てのゼミで共有したりするためには,担当教員が学生やチームのアセスメントを行い,必要最低限で適切な介入を行い,見通しをもって授業を展開する必要があるため,企業連携PBLの授業スキルの共有が課題となることが示された。