本研究は、学習者主体の国語科授業において、学習者による目標設定の有意性を実践的に検討したものである。国語学習意識の質的変化の分析には、「主体性のタキソノミー」(石井2020)及び「行動のモデル」(マルザーノ2011)を用いている。稿者と40 代教員との共同実践で行った国立大学附属T小学校3 年生における「おにたのぼうし」の授業を考察対象とし、学習者による目標設定が学習者の国語学習意識を自律的・方略的意識へと変質させていくことを明らかにしている。学習者による目標設定は、学習者主体の国語科授業において有意性をもつことを結論付けている。