本稿は、大学における表現活動すなわち宗教劇(キリスト降誕劇)を取り上げ、この活動がいかなるものかについて明らかにするとともに、学生が宗教劇を行う必要性および重要性の根拠について、すなわち青年は宗教性および演劇への欲求を強く持つとのシュプランガーによる見方に基づくことを明らかにした。また、宗教劇(キリスト降誕劇)に向けての練習や上演を通して学生たちは、聖書の言葉を理解する力や身体表現活動を指導できる力などを身につけるが、この活動が幼稚園教諭や保育士などの教員を目指す学生たちの人間形成,すなわち道徳性および宗教性の育成に寄与することについて明らかにした。