全国の看護系大学のうち、平成18年度までに完成年度を迎えた120校を対象に、「皮下注射」「筋肉内注射」「静脈血採血」の看護技術に関する質問紙調査をおこない、51校から回答を得た。結果、卒業時の到達目標では、皮下注射は「モデル人形で実施できる」が37.3%で「学生間で実施できる」は15.7%、筋肉内注射は、「モデル人形で実施できる」が62.7%で「学生間で実施できる」が3.9%、静脈血採血は、「モデル人形で実施できる」が23.5%で「学生間で実施できる」が31.4%であった。3つの技術の到達目標を比較すると、「モデル人形で実施できる」技術で最も多かったのは筋肉内注射であり、「学生間で実施できる」は静脈内採血であった。静脈血採血の方法として、「注射器で実施している」大学は39.3%、「真空採血管で実施している」は11.8%、「両方をおこなっている」大学は45.1%であった。針刺し事故防止の工夫については、「物品の工夫や環境の整備」「リキャップ禁止」「針刺し事故防止の強調および意識付け」「少人数制で安全性を高める」「指導上の工夫で学生の技術力を高める」「学生への個別の配慮」「真空採血管を用いる」「保険加入や血液の処理方法の工夫」がされていることがわかった。