本邦における看護基礎教育における課題を解決するために看護基礎教育の原点に立ち戻り、これからの看護基礎教育のあり方を考える。本稿では本邦における看護基礎教育のあり方を模索する資料を得ることを目的とし、看護師が教育課程を修了し資格をもつ職業人としてその社会的地位を確立しはじめた19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍した英国看護師で「もう一人のナイチンゲール」としてその名前を知られているEdith Louisa Cavell(イーディス・キャベル)の考えた看護教育を文献や資料から振り返り、看護師が教育課程を経て職業人となった当時の看護基礎教育はどのようなものであったか、また、看護師にはどのような資質が求められていたのかを考察した。 19世紀後半から20世紀初頭にかけての欧州の看護現場は過酷であり、看護師の健康被害も多く、看護師になるには相応な覚悟も必要であった。よって看護基礎教育課程では、看護師の資質を問うようなカリキュラムが組まれていた。また、医師の看護師への期待も大きく、看護は医療の重要な要であるという意識も大きかった。