本研究は、Aguilera & Messick の危機理論を基に、救急外来で見られた2事例を比較し、患者家族に対する看護婦の援助と家族のバランス保持要因を分析することで、救急外来においてより有功な介入を提示することを目的とした。バランス保持要因は、ただ単に存在していれば機能するものではなく、互いに関係しながら支え合うことが大切であり、たとえ複数人の家族が存在していても、必ずしも機能しているわけではない。看護者として、バランス保持要因を早期に的確に判断し、それらがいい方向へと作用するような援助が必要である