高齢者が豊かで充実した生活を営むためには、自立歩行できる筋力を維持していくことも必要な要素である。近年、介護予防の観点からも運動器の機能向上において重点的に筋力トレーニングが実施されている。高齢者の脚筋力の評価方法としては、一般的に大腿四頭筋の筋力を評価する膝関節伸展筋力を測定する方法が用いられている。しかしこの方法では、膝痛や膝関節障害を有する者では測定が困難である。加えて、歩行機能と筋力との関連性をみた場合、歩行動作に関わる大腿四頭筋の役割も重要な要素ではあるが、そればかりではないことは明白である。