山口県立大学学術情報

トップページへ戻る

山口県立大学学術情報 Volume 13
published_at 2020-03-31

The burden of nursing teachers in nurse training facilities.-Focusing on students : who difficulty building relationships.

看護師養成施設における看護教員の負担感について : 対人関係の構築を苦手とする学生に焦点をあてて
fulltext
3.91 MB
06.nursing_YOSHIKANE.pdf
Descriptions
対人関係を基盤とする看護教育においても、発達障害の特徴を示す学生は池松1)によると1.02%程度存在する。そのような中で、看護教員は対応を模索しつつ教育をおこなう現状がある。 本研究は質問紙を用いて、対人関係の構築を苦手とする学生(以下、対人困難学生と示す)に起因する看護教員の負担感の関連要因を明らかにすることが目的である。負担感に関連する要因として、①対人困難学生の教育に困る学習場面、②対人困難学生の困る状況、③対人困難学生の教育を行う上で悩む内容、④困る状況での対応、⑤対人困難学生の保護者対応を設定した。 本研究で対人困難学生とは、①対象や友人との関係で実習やグループワークに困難感がある。②実習場面で場の空気が読めない。③他者の立場を理解できない。④他者の思考を妨げる。⑤同じ空間で同じ課題を行うことに困難を生じると定義した。結果として、①看護教員の93.2%は対人困難学生の教育を経験しており、うち96%の対人困難学生は障害診断を受けていなかった。②看護教員の精神的負担感を従属変数に、各要因を独立変数に重回帰分析を行った結果、「臨地実習(β.357)」「技術テスト(β.269)」「保護者の情緒不安定(β.245)」であった(調整済みR2.653)。対人困難学生の対応(23 項目)において教員の負担感で有意差を示す項目は認められず、負担の程度に関わらず看護教員はあらゆる対応を試行錯誤しており、重回帰分析において陰性項目がないことは有効な対応策がなく、対人困難学生への対応の難しさが示された。反面、看護教員の負担感の要因に対人困難学生の状況や対応が関連しなかったことは、実習環境や人的環境を整えることで、看護教員の対人困難学生に起因する負担が減少する可能性が示唆された。
In this study, a questionnaire survey was conducted with teaching staff in nursing to investigate their causes of burdens associated with students who have difficulties building a relationship with others (hereinafter referred to as students with relationship difficulties). Causes of burdens are defined as follows: situations in which teaching staff find it difficult to teach students with relationship difficulties
Creator Keywords
看護師養成施設
看護教員の負担感
看護学生
発達障害
Nurse training facility
Nursing teachers burden
Nursing student
Developmental disorder