点滴静脈内注射は施行頻度が高く、医療事故報告も多いことから、技術習得は重要な課題である。そのため、技術習得のための有効な教育方法を開発することの意義は大きい。そこで技術習得のためのCAI教材の開発を行い、その有効性を検討することを研究の目的とした。研究に協力が得られた4年生6名を対象に、研究者が作成したCAI教材を用いて学習してもらい、その後利用状況と利用後の評価を行うとともに、技術の習得状況については、実施後の学生の振り返りと実施時の教員による技術確認をもとに評価を行った。CAI教材の利用後の評価として、「わかりやすさ」、「興味」、「満足」、「復習に役立つ」、「実技に役立つ」、「CAI教材の活用希望」については概ね肯定的な評価であった。教員・学生共に技術の習得が困難と評価した項目は、「処方箋と薬剤との確認」、「点滴のセット」、「点滴ルートの固定」であった。実技練習を併せて行うことが特に必要な手技であると考える。