本研究の目的は、行動変容アプローチによる老人の訓練を実施し、その介入効果を検討することである。具体的にいえば、特別養護老人ホームで生活する87歳の女性の老人の言語的表現の増加を目標に行動変容アプローチによる介入を行った。この老人は、過去、8年間、その施設に入所していた。施設で生活を始めた頃は、他の入所者や施設スタッフと日常的会話もみられたが、最近、この老人には、言語的表現がほとんどみられなかった。原因として、老化に加えて施設の限られた生活環境、例えば、入所者の重度化や施設スタッフの多忙さなどによって、他