この研究は、1999年に始まり、2000年、2001年、2002年、2003年に渡って継続的になされている調査の一環である。すなわち、山口市の一つの行政単位から選ばれた地区に住む、独居後期高齢者の生活実態調査である。2004年には、5名のインタビュウ結果について、調査対象者と地域社会との関係に焦点をあてて分析した。その結果、この地区では、伝統的な地域社会の特徴を残した近隣関係とともに、新しく作られた住宅地域に移り住んだ俸給生活者が作り出す近隣関係が、混在する極めて複雑な地域社会が出現している。(以下、略)