エリザベスI世は生涯に非常に多くの肖像画に描かれているが、その中には篩を持って描かれている肖像画が何枚か含まれている。現在シエナに残されているエリザベスの「篩の肖像画」は、画面全体が非常に複雑な寓意を組み合わせて描かれており、そこに見られる服飾もまた、肖像画の意図を示すための重要な役割を果たしている。この意味において、1850年に描かれたシエナの「篩の肖像画」に見られる服飾は、エリザベスI世の晩年の肖像画に顕著である装飾性に溢れた荘厳さを演出するための重要な道具立てとなった最初の例であると言え(以下、略)