本論文では、自己評価過程の様相を日常生活の中での相互作用において検討するために、日記式質問紙を用いた検討を行った。32名の看護学校生が3日以上質問紙への回答を行った。課題遂行に関連した出来事を経験した際に、相互作用対象として実際に選択した他者の属性やそのときの自尊心、また顕現化していた自己評価動機についての回答が求められた。分析の結果、以下のことが示された。(1)課題遂行に関連した出来事を経験した時に自己査定動機が顕現化すると、客観的な他者の選択が多く行われやすくなる。(2)低自尊状態であっても高自尊状態であっても、自己評価動機は同程度に顕現化しており、自己に関連した情報を能動的に求めようとする志向性は同様に持っている。(3)高自尊状態では、客観的な他者の選択が多く行われる傾向にあり、状況の要請と適合した他者の選択が行われやすい。一方、低自尊状態では情緒的な他者の選択が多く行われる傾向にあり、状況の要請と適合した他者の選択が容易には行われにくい。以上の結果から、自尊心の程度の違いにより、自己評価過程における他者選択の様相が異なる可能性について示唆がなされた。 : The present study investigates the self-evaluation process using a diary-style questionnaire. Forty-nine nursing school students were asked to write down the details of task-relevant events, to answer state self-esteem and self-evaluation motivation questions, and to write the name of persons whom they selected as Reference Persons, as soon as possible after experiencing the events. Thirty-two participants wrote in their diary-style questionnaire more than three days per week. Three main results were found : (1) When self-assessment motivation was present during task-relevant events, participants tended to select a very objective Reference Person