種類レビュー論文 部局
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 地方観光地のエリア拡大は経済活性化の要である。一方で、観光客の「回遊性」向上は、住民との摩擦を招く。本稿は、関門地域(下関市・北九州市)の事例を軸に既往研究を整理し理論的考察を行う。第一に、「回遊性」概念の変遷を辿り、商業至上主義が政策に無批判に転用された点を指摘する。第二に、エリア拡大が住民態度を「敵対」へ変容させる構造について、社会交換理論やDoxeyのモデルを用いて分析する。第三に、SNSが動線管理を無効化し、生活領域への侵食を加速させる実態を論じる。  これらを踏まえ、消費促進型社会を批判的に再構築し、住民の生活満足度を条件に組み込んだ「生活・共生型回遊性モデル」を提示する。さらに利害対立を合意形成の資源とする「摩擦前提の合意形成プロセス」を具体化する。本稿は、次稿の関門地域実証研究に向けた理論的基盤を提示するものである。
作成者 : 竹内 裕二 出版者 : 下関市立大学 発行日 : 2026-04-30
Forward-Forward のMNIST 追試とハイパーパラメータ探索
Journal of Intelligence Science in Local Research 2 巻 2 号
 本稿は,Forward-Forward(FF)アルゴリズムのMNIST 教師あり学習を対象に,追試実験ログを整理した解説論文である.実装仕様と数式の対応を確認したうえで,ハイパーパラメータ探索を「仮説→操作→結果→解釈→次の一手」の形で記録し,ログを横断集計した表・図として提示する.追試では,ラベルを総当たりで埋め込んで評価する推論(labelsearch)による最良のテスト誤り率は,平行移動拡張(jitter;±2 ピクセル)を用いた500エポック学習で2.12%であった.
作成者 : 白濵 成希 | 中谷 直史 | 渡邉 志 出版者 : 下関市立大学 発行日 : 2026-04-30
ラフ集合・ルールリダクションへのバイオ計算技術の導入
Journal of Intelligence Science in Local Research 1 巻 2 号
 ラフ集合の方法は、決定規則の縮約によく利用されている。ラフ集合を用いた具体的な技術は、決定規則の抽出方法として用いられる。しかし、多くの決定規則を扱う際には、計算負荷が問題になる。すべての最小長の決定規則を計算する問題は、組み合わせ爆発が生じ、NP困難な問題である。この計算の課題を扱うために、本解説では、バイオ・コンピューティング技術を導入する方法を解説する。この手法は、決定規則の縮約に、DNA分子技術を応用したもので、問題の計算処理の複雑さを効果的に軽減できる。1998年にL.M. Adlemanが、生物学的計算パラダイムの概念を開拓して以来、この技術は、既存のアルゴリズムに活用及び実装することで、新しい問題解決アルゴリズムを開発する能力を提供してきた。しかし、経営工学の意思決定問題に対する学際的なDNA分子技術を用いたアルゴリズムは、いまだDNAの利用が限られた分野に限定されており、計算技術としてはそれほど広く用いられているとは言えない。本解説では、DNA分子構造や特性を操作する分子工学のメカニズムとその技術を解説し、一般的な分子アルゴリズムの利用を紹介している。特に、我々が開発したラフ集合の最小ルール探索のための決定ルールを最小化するアルゴリズムを説明している。
作成者 : 和多田 淳三 | 酒井 浩 | 松本 義之 出版者 : 下関市立大学 発行日 : 2025-03-31
プログラミング言語のコンパイラの構文解析
Journal of Intelligence Science in Local Research 1 巻 2 号
 私たちの世界を動かすプログラムは事実上すべて,人間がPythonやJava,Cなどの高級プログラミング言語で記述し,それをコンパイルして低レベルのコードにまとめて実行する.現代のプログラミング言語のためのコンパイルを行う技術,すなわち,コンパイラの多くは,Alfred V. AhoとJeffrey D. Ullmanの貢献が大きく,それにより2020年度に,コンピュータ科学の最高峰のチューリング賞を受賞した [1].コンパイラでは字句解析,構文解析,コード生成などのための技術やアルゴリズムが重要である. 本解説記事では,コンパイラの構造及び,コンパイラで最重要で最難関な構文解析,特にLR構文解析 [7] について, 類書にない構文解析手法の関係を明確化して, 有効な事例を新規に追加して, 解説を行う.これにより,現在と未来の社会を支えるコンピュータ・ソフトウェアの理解を深めることができる.さらに重要なことは, 構文解析の理論, 技術, 実装は他の多くのソフトウェアの原理となっており, 今後のソフトウェアの作成に大いに有益である. なお,本解説記事はドラゴンブック [2] や優れた教科書 [3,4,5,6] などを参考にしている.
作成者 : 山根 智 出版者 : 下関市立大学 発行日 : 2025-03-31