キーワードmassculture 種類紀要論文 部局
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冬季の二枚貝類種苗生産における新規餌料候補種である海産ミドリムシ類 Eutreptiella eupharyngea の安定供給体制の構築を目的として,冬季の屋外において,十分な日射量を確保可能な水槽を用いた150 L 規模の E. eupharyngea の大量培養実証試験を試みた。また,屋外大量培養時の最大到達密度の到達目標の参考値を得るために,低水温環境下における2 L 規模での室内培養試験を実施した。2 L 規模での室内培養試験では,既報の50 mL 規模の培養実験結果と同様に,10℃区におけるC. neogracile の最大到達密度が20℃区の48%程度にまで顕著に低下した。これに対して,10℃区における E.eupharyngea の最大到達密度 (3.6 × 10^5 cells mL^-1) は20℃区の73%程度であったものの,両試験区の最大到達密度に有意差は認められなかった。さらに,塩分25 に調整した培地を用いて実施した150 L 規模の屋外大量培養試験において,E.eupharyngea の最大細胞密度は2 L 規模での室内培養と同等の3.7 × 10^5 cells mL^-1 に到達した。また,屋外大量培養試験期間中の水温は,気温の変化に同調して0.5-23.7℃の範囲で変動し,平均水温は10.7℃であった。このように,大量培養水槽内の水温は天候や昼夜によって大きく変動したにもかかわらず,E. eupharyngea は2.2 × 10^5 cells mL-1 以上の細胞密度を12 日間維持した。したがって,E. eupharyngea は晩秋から翌年の早春期に行われるアサリなどの二枚貝類種苗生産における餌料の安定供給に寄与する可能性がある。
作成者 : 倉谷 京介 | 石井 慶太 | 山﨑 康裕 出版者 : 水産大学校 発行日 : 2026-01