発行年2025 - 2029 キーワードhemolymph acid-base balance 部局
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アコヤガイPinctada fucata martensii, マガキ Crassostrea gigas,ヒオウギ Mimachlamys nobilis から採取したヘモリンパ液を用いて二酸化炭素溶解度係数 (αco_2,µM/L/torr) に及ぼす温度 (T,°C) の影響について調べ,αco_2 とT の関係を明らかにした。アコヤガイで得た関係式は,αco_2 = 76.88145 − 2.62637 · T + 0.036203 · T^2 であった。同様にマガキとヒオウギはαco_2 = 94.2109 – 3.6252 · T + 0.0554 · T^2 (マガキ),αco_2 = 70.4591 – 1.5253 · T + 0.0103 · T^2 (ヒオウギ) だった。これら3種のαco_2 の分布を比較すると統計的有意差は認められなかったことから,3種のαco_2 と温度の全ての結果に対して多項式回帰を適用し,以下の関係式を得た。 αco_2 = 182.3717 – 24.3932 · T + 1.6396 · T^2 – 0.0492 · T^3 + 0.000536 · T^4。この式により,種が異なっても,任意の温度で海産二枚貝のαco_2 を容易に得られ,酸塩基平衡,二酸化炭素動態および呼吸生理の評価に有効と考えられる。
作成者 : 半田 岳志 | 荒木 晶 出版者 : 水産大学校 発行日 : 2026-01
我々は,安静状態におけるイガイMytilus coruscus のヘモリンパ液の酸塩基平衡を調べた。水温18°Cでのヘモリンパ液 pH は7.601±0.023(平均値±標準偏差), 全炭酸含量(Tco_2)は1.59±0.06 mM/Lを示した。水温23°CではpH 7.568±0.031, Tco_2 1.54±0.09 mM/Lを示した。ヘモリンパ液の二酸化炭素分圧(Pco_2)と重炭酸イオン濃度([HCO_3^–])は,温度との関係式から推定された炭酸解離恒数(pKapp)を使用して計算された。Pco_2と[HCO_3^–] は水温18°Cで1.77±0.07 torrと1.50±0.06 mM/L,水温23°Cで1.83±0.08 torrと1.47±0.09 mM/Lを示した。推定したpKappを使い算出したPco_2を検証するため,本研究のin vitro実験で決定したpKappを用いてPco_2を計算した。異なる方法で算出した2つのPco_2に統計的な有意差は認められなかった。これらのことから,イガイヘモリンパ液のpKappを温度との関係式から推定することは,Pco_2と[HCO_3^–]の算出に有効と判断された。イガイヘモリンパ液の非重炭酸緩衝価(ꞵ_NB)は18°Cで0.42 slykes,23°Cで0.54 slykesであり,他のイガイ類の緩衝能をよく反映していた。
作成者 : 半田 岳志 | 荒木 晶 出版者 : 水産大学校 発行日 : 2025-02
イガイの呼吸機能,特に酸塩基平衡を評価するため,イガイ閉殻筋から採取したヘモリンパ液を用いて,二酸化炭素溶解度(αco_2)と炭酸解離恒数(pKapp)に及ぼす温度の影響について調査した。各実験温度において,イガイのヘモリンパ液を二酸化炭素標準ガスと平衡させ,pHと全炭酸含量を測定し,温度(T)とαco_2あるいはpKappとの関係を分析したところ,以下の関係式を得た。αco_2 = 138.247 – 11.253 • T + 0.554 • T^2 − 0.0140 • T^3 + 0.000138 • T^4,pKapp = 6.6407 − 0.01589 • T(αco_2: µM/L/torr; T: ℃)。これらの式により,任意の温度でイガイのヘモリンパ液におけるαco_2とpKappの推定が可能となった。これら推定値を用いれば,微量なヘモリンパ液の二酸化炭素分圧や炭酸水素イオン濃度を任意の温度で把握することができるだろう。
作成者 : 半田 岳志 | 荒木 晶 出版者 : 水産大学校 発行日 : 2025-01