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学校教育における美術教育の意義
教育実践総合センター研究紀要 59 巻
作成者 : 西村 優子 | 福田 隆眞 出版者 : 山口大学教育学部附属教育実践総合センター 発行日 : 2025-03-15
本研究では,教育現場で実践されている相互指名法をより適切に有効に授業に導入するために,教諭の立場と子どもの立場と両面からみた,相互指名法の利点と課題を検討することを目的とした.子どもの立場の理解のために,大学生に小・中・高等学校の授業時の様子を振り返ってもらい,対面とWeb調査を併用して質問紙調査を実施した.対象者は,大学生は138名であった.教諭の立場の理解のために,小・中・高校教諭にインタビュー調査を行った.教諭は小学校は11名,中学校は9名,高校は5名であった.分析方法は子どもの立場,教諭の立場ともに内容分析を行った. 結果について,子どもの立場から述べ,次いで教諭の立場から述べる. まず子どもの立場についてである.相互指名法の経験については,小学校時代では,経験ありと経験なしの回答数がそれぞれ88と29,中学時代ではそれぞれ37と77,高校時代ではそれぞれ28と102であった.相互指名法の利点として,【授業への積極的,意欲的な参加】【挙手や発言のしやすさ】【明るく和やかな雰囲気】などの5つのカテゴリーが得られた.一方で,課題としては【指名される/指名されない人の偏り,固定化】【指名される/指名されない人の偏りによって見えてくる学級の人間関係】【相互指名法を効果的に行うためのルール作り】など4つのカテゴリーが得られた. 次に教諭の立場についてである.相互指名法の経験については,小学校教諭は,教科や学習のねらいに応じて,また,子どもの様子や学級の様子を見て実施していた.中学校,高校教諭の実施はわずかであった.相互指名法の利点は,【授業への積極的,意欲的な参加】【学びの深まり】【挙手,発言のしやすさと発表経験により得られる自信】など5つのカテゴリーが得られた.相互指名法の課題や工夫として【子どもや学級の様子を考慮して導入】【指名される/指名されない人の偏り,固定化】【相互指名法を効果的に行うためのルール作り】など6カテゴリーが得られた. 以上の結果より,子どもの立場と教諭の立場を総合して考察すると,相互指名法は,子どもの積極的,意欲的な学びや挙手や発言のしやすさといったメリットはあると考えられる.しかし,発言する子どもの偏りや,挙手をしても指名してもらえない体験をする子どもがいること,またそうした学級での人間関係が見えやすくなるといった課題もある.相互指名法を導入するには,学級の支持的風土と学級規律が出来ていることが土台として必要である. 教諭が学級の状態を十分にアセスメントし,状況に応じてルールを適用するといったマネジメントのもと実施することが重要であることが示された.
作成者 : 佐々木 直美 発行日 : 2025-03-31