山口県立大学学術情報

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山口県立大学学術情報 Volume 11
published_at 2018-02-28

A Study on the Creation and Implementation of Lunchtime Elementary School Nutrition Lessons by Nutrition Teachers

小学校で行われる栄養教諭の視点からの給食の時間における指導実践に関する研究
Sakurai Asuka
Nisimura Ryousuke
Tuziya Sachiko
Sei Toshimitsu
fulltext
11.8 MB
04.gen_SUIZU.pdf
Descriptions
食育は家庭を中心としつつ、学校においても取り組む必要があり、文部科学省の学習指導要領にも食育が位置付けられている。学校で展開される食育において、給食の時間は年間約190日あり、その指導は学級担任や栄養教諭により行われているが、先行研究では児童の食行動に学級担任の働きかけが影響するという報告がある。一方栄養教諭による影響等に関する報告は少ないため、本研究では、栄養教諭の専門性を活かした指導内容や媒体を検討し、給食の時間における指導の実践について考察することを目的とした。方法は、山口市立宮野小学校児童(1~6年生全20クラス)を対象に平成28年6月から11月にかけて給食時間における食に関する指導を約10分間行った。指導テーマは、児童の実態や食に関する指導の全体計画をもとに、指導目標を設定し、指導案及び媒体を検討した。1年は食器の置き方、2年は好き嫌い、3,4年は地場産物、5,6年は和食のテーマとした。評価は、指導時の児童の挙手回数や発言などの行動を観察し、興味・関心の高まりを中心に行った。その結果、1,2年については、給食の食器を擬人化し、食器学校を舞台に正しい食器の置き方や、肉食・草食動物を題材に何でも食べることの重要性を伝えた紙芝居等により、児童の興味・関心を引き出せたと考えられた。3,4年は、山口市産、山口県産の地場産物を社会科との関連や給食の食材を意識し、食材の花、効能、特徴、産地をクイズ形式で伝え、社会科の復習にもなったようである。5,6年は和食献立にまごはやさしいの食材を活用し、和食のよさの理解につながった。全体的に知識教育が主であったが、児童の興味関心を引き出せたと考える。今後は、意欲、実践に向けた働きかけが課題である。