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「内鮮一体」という練成 : 小尾十三「登攀」

梅光学院大学論集 Volume 53 Page 41-53
published_at 2020-03-31
BGR0053000003.pdf
[fulltext] 1.1 MB
Title
「内鮮一体」という練成 : 小尾十三「登攀」
Creators 田村 栄章
Source Identifiers
Creator Keywords
内鮮一体 皇国臣民 外地
小尾十三の小説「登攀」は主人公の教師である北原が、特に目を掛けている朝鮮人の教え子である安原壽善を立派な皇国臣民として導こうとする過程が描かれている。その内容が時局的基準からが選考基準で最も重要視されていた1944年8月第19回芥川賞を受賞した大きな理由であった。しかし、それはあくまでも安原壽善を立派な皇国臣民として導こうとする過程が描かれているだけであって、彼が日本人として立派な皇国臣民となったか北原の導きが結果として成功したのかといえば、そうとは言えない。むしろ朝鮮人青年の皇国臣民化とその先の内鮮一体化への困難を記した作品であると読めてしまうのである。内鮮一体という言葉に込められた論理を当時の状況から分析をした。
Languages jpn
Resource Type departmental bulletin paper
Publishers 梅光学院大学
Date Issued 2020-03-31
File Version Version of Record
Access Rights open access
Relations
[ISSN]1882-0441