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藤木 大介

Affiliate Master 梅光学院大学

自閉症児の三項関係の成立過程 : シャボン玉を用いた介入の効果の検討

子ども未来学研究 Volume 5 Page 59-70
published_at 2010-12-15
BGA0005000006.pdf
[fulltext] 3.36 MB
Title
自閉症児の三項関係の成立過程 : シャボン玉を用いた介入の効果の検討
Creators 高橋 香奈子
Creators 藤木 大介
Source Identifiers
Creator Keywords
自閉症 心の理論 三項関係
 三項関係、つまり「自分」「他者」「対象」の三項の関係で対象に対する注意を自分と他者が共有することによってできる関係は、通常生後約9~10ヶ月頃に成立する。しかし、自閉症児は三項関係の成立が困難である。そのため、三項関係の成立後に獲得される心の理論(他者の心の状態を推測する能力)も獲得されにくく、他者とのコミュニケーションにも困難を覚える。したがって三項関係を結べるようになるための援助の方法を考えることは重要である。そこで、自閉症児(最重度、中度、軽度)3名に対し、シャボン玉遊びを通し、対象児の遊びのペースにあわせて向かいあいながら笑いあい見つめあうといった他者を意識できるような介入を行い、三項関係が成立できるか検討した。この際、自閉症児がシャボン玉を見た後に介入者に対して、「シャボン玉がきれいだね」や「シャボン玉が割れたね」等といった自分の感情を共有してほしいという共有確認行動が起こった場合に三項関係の成立とみなした。その結果、初回の介入では3名の対象児とも、ストローや容器等の物への関心の方が高かったが、介入を始めて約2ヶ月間で6回前後の介入を行った結果、3名の対象児ともに共有確認行動が見られるようになった。特に軽度の自閉症児では、相当数の共有確認行動が確認できた。したがって自閉症児にとって、他者を意識できるような意識的な介入者の関わり方が三項関係の成立に効果的であると言える。
Languages jpn
Resource Type departmental bulletin paper
Publishers 梅光学院大学子ども学部
Date Issued 2010-12-15
File Version Version of Record
Access Rights open access
Relations
[ISSN]1881-7424