コンテンツメニュー

Wealth as a Manacle : The Portrait of a Lady from an Economical Viewpoint

梅光言語文化研究 Volume 7 Page 49-57
BGB0007000004.pdf
[fulltext] 691 KB
Title
「冨」という枷 : 『ある婦人の肖像』 (The Portrait of a Lady)に見る経済性
Wealth as a Manacle : The Portrait of a Lady from an Economical Viewpoint
Creators Tsutsumi Chikako
Source Identifiers
Creator Keywords
経済 顕示的消費 資本主義 モダニティ
Henry Jamesの作品、特に後期のものについては経済性を内包した作品であると評されることが多い。そこでは従来の新世界アメリカ対旧世界ヨーロッパという対比だけではなく、経済力によって相手を支配する側と支配される側、搾取する側と抑圧される側という分類が可能である。 The Portrait of a Ladyに関して、Jamesが長い間暖めていた、ある若い女性がその運命に対決していくという構想を小説という建築の土台として、発展させていったと序文で述べられている。Jamesが土台に置いたレンガのひとつがIsabelにもたらされた財力である。主題の中心はIsabelの意識であるが、彼女の周辺の人物の意識に大きな影響をもたらすのが、財産である。Jamesの作品の男性が手にする財産とは異なり、Isabelの得た財産は、彼女の生をできるだけ見ごたえのあるものにするため、彼女の知らないところで付加されたものである。経済的足枷から逃れるために与えられた、新たな枷である。 男性登場人物についてはそれぞれ自分の財政状況を象徴する人物としても分類できる。アメリカのビジネスマン、引退して、その財産を有効に使おうとしている人物、親の財産によって働く必要もなく、人生の傍観者的立場を取っている人物。受け継いできたものを時代へつなぐ役目を負っているイギリス貴族。fortune hunterとして登場するヨーロッパ人化したアメリカ人。彼らの思惑がIsabelの生にどのように関わってくるのかを、James自身の経済的状況、当時の社会的経済状況を分析しながら考察していく。
Languages jpn
Resource Type departmental bulletin paper
Publishers 梅光学院大学国際言語文化学会
File Version Version of Record
Access Rights open access
Relations
[ISSN]1884-2216
[NCID]AA12462417
[PMID]2016-03-10